早坂吝さんの『〇〇〇〇〇〇〇〇殺人事件』を読みました。
あらすじ
アウトドアが趣味の区職員・沖健太郎は、オフ会で小笠原諸島にあるプライベートアイランド・再従兄弟島を訪れる。
再従兄弟島には、事故で家族を失い、自らも顔に大ケガを負ってマスクを被っている黒沼重紀と、オフ会が縁で再婚した深影夫妻が暮らしていた。
しかし、沖らが訪れた日の夜、深影はオフ会の参加者・浅川文則と駆け落ちしてしまう。
さらに、サイトの運営者・成瀬瞬も、島の洞窟で殺害されてしまう。
感想
「読者への挑戦状」から始まるこの作品。
「読者への挑戦状」自体は、推理小説でたまに見ることがありますが、今回の挑戦内容は一風変わったもの。
なんと、タイトルを当てよというものになっています。
本のタイトルどおり、タイトルは「8文字+”殺人事件”」。
こういうのって、当たったことがないんだよなぁと思いつつ、頭の片隅に置きながら読み進めます。
さらに、殺人犯を論理的に導き出すことも可能だが、そちらの方は難しすぎるとの挑発。
確かに、重大な秘密に気づかない限り、犯人を特定するのは難しいですね。
タイトルの方は、言われてみればなるほどといったものでした。
島のオーナーの黒沼重紀は、白いマスクで顔を隠した人物。
となると、『犬神家の一族』の佐清が頭に思い浮かんでしまいます。
そういう軽いノリも取り入れながら事件が進んでいくのですが、事件を解く鍵はまったく見つけられませんでした。
結果的に、なんとなく怪しいなぁと思う人物が犯人だったのですが、論理的な推理によるものかと言われると、まったくそうではなく…
早坂吝さんからの挑戦には、完敗でした。
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