辻村深月さんの『朝が来る』を読みました。
あらすじ
栗原清和、佐都子夫妻は、不妊治療を断念し、特別養子縁組という制度を用いて子供を授かることを決めた。
夫妻のもとへやってきたのは、中学生の少女が出産した男の子。
この子に、朝斗という名をつけ、養子であることを隠さずに育てるが、朝斗が6歳になったとき、子供を返してほしいという電話がかかってくる。
感想
はじめは、ジャンル的に私の好みじゃないかなぁと思って、積極的には読んでいなかった作家さんですが、最近になって、この人の作品好きかもと思うようになり、辻村深月さんの作品を手に取ることが増えました。
途中、グサッ、グサッと心に突き刺さる文章がいくつも。
ほろ苦かったり、甘かったりする恋愛を経験したからこそ刺さる言葉、結婚したからこそ刺さる言葉、子育てを経験したからこそ刺さる言葉などもありますが、この作品での疑似体験を経験したからこそ刺さる言葉もあって、凄い作家さんだなぁと感じました。
特別養子縁組の説明会で出会った夫婦が言った、自分たちだって血はつながっていないけど家族になれたんだから、っていう言葉は、特にグサリと突き刺さりました。
栗原家で育てられている朝斗君は養子ですが、私も1人で勝手に養子を迎えたいなぁと思っていた時期があります(今もまったくなくなったわけではないのですが…)。
うちは長男と次男の男の子2人兄弟。
実は、長男と次男の間に1人死産を経験していて、その子も男の子。
でも、中学生くらいのころから、1人は女の子が欲しいなぁと思っていて、授業中につけたい名前を考えていたほど…
なので、読書好きな女の子を養子に迎え入れられたらなぁなんて。
その場合、この作品に出てくる特別養子縁組の制度は、性別を指定できないため利用できないんですけどね。
まぁ、年齢も年齢だし、経済的な理由その他もろもろで、今のところ養子を迎えるというのは、夢のまた夢の話なのですが…
物語の骨子はごくごくシンプルなものなのですが、構成が絶妙で、驚きと感動をもたらせてくれます。
辻村深月さんらしい話に仕上がっていました。
コメント
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興味ある題材です!
図書館で探してみますね(^^)/
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>takakoさん
コメントありがとうございます。
ぜひぜひ、読んでみてください。
どういったご感想をもたれたか、楽しみにしています(^^)