新川帆立さんの『倒産続きの彼女』を読みました。
あらすじ
弁護士の美馬玉子が勤める弁護士事務所は、倒産の危機にあるアパレルメーカーのゴーラムの対応を行っていた。
そこに、経理部の近藤まりあが勤める会社がこれまで3社すべて倒産しているとの通報が寄せられた。
玉子は、先輩弁護士の剣持麗子と共に、怪文書への対策にあたる。
感想
『元彼の遺言状』の続編です。
『元彼の遺言状』と言えば、婚約指輪の石の小ささを理由にプロポーズを断った剣持麗子を主人公とした話。
でも、そのイメージが強すぎて、どんな話だったっけなぁというのが、いまいち思い出せなかったりするんですよね。
今回は、その麗子ではなく、事務所の後輩の美馬玉子の目線で語られています。
麗子に比べると、格段に常識人。
仕事面でも若さを感じる部分がありますが、安心して読んでいられます。
4社に勤め、そのすべての会社が2、3年のうちに倒産してしまうという、経理の近藤まりあにまつわる謎が話の主軸になってくるのですが、どういう結末に持っていくんだろうと、頭を悩ませながら読んでいました。
まさか、すべて偶然でしたでは、すまされないよなぁなんて思いながら…
実態のわからない、話を書く側にとっては都合の良い組織が出てきたのがちょっと残念だったかな。
あの組織の力を借りなくても、近藤まりあの経歴に説明が付いていたような気がするんだけれども…
全体的に面白かったのですが、そこだけが、少し残念でしたね。
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