小路幸也さんの『花咲小路二丁目の寫眞館』を読みました。
あらすじ
フォトグラファーの桂樹里は、学校を出てすぐに〈久坂寫眞館〉に就職した。
現社長の久坂重も写真を撮ることはできるのだが、人物写真を撮ると、見えないものが写ってしまうのだという。
そんな重が試しに動画を撮ってみると、樹里ともども過去へタイムスリップしてしまった。
このタイムスリップには、どんな意味が隠されているのだろうか?
感想
「花咲小路シリーズ」の7作目にして、現時点での最新刊です。
「寫眞」はなんて読むんだろう?と思ったのですが、「写真」の異字体だったんですね。
いわれてみれば、そう読めなくもないです。
『花咲小路三丁目北角のすばるちゃん』でも、お父さんが車に乗り移ってしまうというようなSFチックなことをさらりと書いてしまった小路幸也さんですが、今回はタイムスリップ。
こういうことをさらりと書いてしまって、読者にもすんなり受け入れさせてしまう作家は、そうそういないんじゃないかと思います。
過去にタイムスリップすると、大きく歴史を変えたくなったり、あれもこれも変えたくなったりするのが普通だと思いますが、大きく変えることなく、肝心なところだけこそっと変えておく。
そのあたりの塩梅が絶妙だなぁと感じました。
これまで読んだ小路幸也さんの作品の中では、1番好きなシリーズ。
続編も出るのかな?
楽しみに待っていたいと思います。
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