小路幸也さんの『マイ・ブルー・ヘブン』を読みました。
あらすじ
戦後間もない昭和20年10月、五条辻政孝子爵の娘・咲智子は、日記帳が入るくらいの大きさの木箱を預けられ、浜松に住む伯母の家に向かうように告げられる。
しかし、上野駅前でアメリカ兵に身柄を拘束されそうになる。
そこに偶然通りがかり、助けてくれたのが、古書店〈東京バンドワゴン〉の店主・堀田草平の息子・勘一だった。
伯母の家にも手配がまわっていることを危惧した草平は、名前をサチに変え、勘一の嫁を装って堀田家に匿うことを提案する。
感想
「東京バンドワゴンシリーズ」の第4弾です。
主要登場人物を見ると、見知らぬ名前ばかりが並んでいて、一瞬別のシリーズの作品なのかと思ってしまいました。
このシリーズは、4作おきに番外編となっており、この『マイ・ブルー・ヘブン』が、その番外編の1つめだったというわけです。
これまでの3作、特に前作『スタンド・バイ・ミー』で、もう少し説明が欲しいぞと思ったところを補完する内容。
これまでの作品の内容が、より理解できたような気がします。
私の中のイメージでは、ほんわかとした作風の作家さんなのですが、終盤は緊迫感のある展開。
読む側の私が、ギヤを入れ替えなければならないくらいの変わりっぷりでした。
次作からは、また通常モードですね。
通常モードの作品も好きですが、この番外編も面白いなと感じました。
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