【読書】小路幸也『スタンド・バイ・ミー』

小路幸也 東京バンドワゴンシリーズ ├ 小路幸也

小路幸也さんの『スタンド・バイ・ミー』を読みました。

あらすじ 

『あなたのおなまえなんてぇの』
すずみが、古本屋〈東京バンドワゴン〉の中でも、相当古い比較的お高い本が並んだ棚の中の本の並び順が、入れ替えられていることに気づいた。
翌日も、紺がご婦人が立ち去ったあとに棚を見ると、また本が並べ替えられていた。
さらに、買い取った本を確認していると、裏表紙の内側に紙が貼られていて、それを剥がすと「ほったこん ひとごろし」と書かれていた。

感想

「東京バンドワゴンシリーズ」の3作目です。
大家族の堀田家は、いつもわいわいがやがや、ドタバタとしているのですが、どこかほっこりさせられる、魅力が詰まった一家。
下町の人情味が溢れているとでも言うのでしょうか。映画〈寅さん〉を思い浮かべてしまいます。

この作品では、さらに登場人物が増え、私の頭ではだんだんと覚えきれなくなってきました。
これでも、普段よりは頑張っているつもりなんだけどなぁ。

表紙~裏表紙には、計4本のギターがデザインされているのですが、今回はそのギターが重要な役割を果たしている作品が。

家族が増えて、住居の問題が持ち上がっていた堀田家ですが、なんとか目処がついたようでなによりです。
それにしても、世の中には豪快な人がいるもので…
このあたりの義理と人情も、このシリーズの魅力のひとつなんでしょうね。


この他、『冬に稲妻春遠からじ』、『研人とメリーちゃんの羊が笑う』、『スタンド・バイ・ミー』が収められています。

『冬に稲妻春遠からじ』
アメリカへ渡った勘一の知り合いの孫から、10箱の段ボールが届けられた。
直後、200万円ですべてを買い取りたいという人が現れるが、勘一に怒鳴りつけられてしまう。
話を聞くと、中に極秘文書が混じっている可能性が高いのだという。

『研人とメリーちゃんの羊が笑う』
研人の同級生・メリーが学校帰りに東京バンドワゴンに寄っていくようになった。
「羊があとをついてくるから」と言うメリーの言葉の真偽を確かめるために、研人がデジカメを持ち出すが、本当に羊の顔をした男がメリーのあとをつけていた。

『スタンド・バイ・ミー』
ロックンローラーの我南人の息子・青は、我南人と清純派女優・池沢百合枝の間にできた子。
その事実を、雑誌の記者が嗅ぎつけてしまった。
我南人はともかく、清純派女優で通っている池沢百合枝にとっては避けたいスキャンダルだが…

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