小路幸也さんの『花咲小路一丁目の刑事』を読みました。
あらすじ
刑事になった赤坂淳は、祖父母が和食屋を営む花咲小路へ帰ってきた。
非番の日になると、淳は祖母からご近所さんの悩み事を持ちかけられる。
自宅で餌を食べなくなった猫の話や、亡くなった先代から届く手紙など…
時に、ストリートミュージシャンのミケさんや、〈松宮電子堂〉の北斗くんらの力を借りながら、淳は小さな謎を解き明かしていく。
感想
「花咲小路シリーズ」の2作目です。
前作『花咲小路四丁目の聖人』で予想したとおり、今回は一丁目に住む刑事・赤坂淳の視点で物語が進んでいきます。
しかも、公務の間ではなく、非番の日の出来事。
それなら、刑事じゃなくても良いじゃないと思うのですが、刑事としての人間関係が活きてきたり。
最後は少し生臭い展開になりかけますが、全体としては、私の中の小路幸也さんのイメージ通り、ほんわかとしたもの。
心が和らぎます。
これまで5冊ほど小路幸也さんの作品を読んできましたが、どの作品にも共通して言えることは、登場人物たちが自由なんですよね。
規則やらなんやらに束縛されず、のびのびと生きている感じ。
恋愛に関しても、束縛しない。かといって、距離をあけすぎない、適度な間隔を保っているような気がします。
あと、最後に出てくる「猫に引っかかれたあと」という表現が良かったなぁ。
こういうところが、小路幸也さんの良いところなんだろうなと思いました。
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