【読書】大倉崇裕『一日署長』

大倉崇裕さんの『一日署長』を読みました。

あらすじ

警察学校を首席卒業した五十嵐いずみが配属されたのは、警視庁本部庁舎の地下3階にある史料編纂室。
ここで1人、手書きの捜査資料を電子化していくのが仕事だ。
しかし、1985年に発生した犯人未検挙の事件の資料を入力すると、パソコンの画面が白く光り、いずみは事件当時の所轄署の署長室に座っていた。

感想

未解決事件や、犯人を挙げられていない事件の捜査資料をパソコンに入力すると、当時の所轄署署長に乗り移ってしまう。
でも、署長でいられるのは1日だけ。
その間に、事件を解決する必要がある。
大倉崇裕さんらしい設定だなぁと思ってしまいました。

毎日たった1人で地下室で作業をするとか、そもそも過去にタイムスリップするとか、現実ではなかなか考えられない設定ですが、これも大倉崇裕さんらしい。

警察学校首席卒業らしく、いずみの冴え渡る推理も見物。
いきなり人間関係もわからないところへ放り出されたにも関わらず、署長という肩書きを上手く使って、なんとかやり過ごす度胸も素敵。

今回、いずみが過去へ飛ばされたのは5回。
つまり、5つの事件の捜査にあたることになるのですが、この1冊に5つという長さが絶妙。
間延びすることなく、テンポよく進んでいきます。
また、過去に飛ばされ、その時々の署長の体を借りるわけですから、無限にストーリーが作れちゃう？
ってことで、第2弾が早くも楽しみなのですが、シリーズ化されたりしないかなぁ？