【読書】小路幸也『シー・ラブズ・ユー』

小路幸也 東京バンドワゴンシリーズ ├ 小路幸也

小路幸也さんの『シー・ラブズ・ユー』を読みました。

あらすじ 

『百科事典は赤ちゃんと共に』
〈東京バンドワゴン〉の隣りに建つアパート〈曙荘〉に住む学生が、祖父のものという『古事類苑』の60冊版全巻揃いを売りに来た。
しかし、買取後に中を確かめてみると、1冊だけ中がくりぬかれた巻が見つかった。
同じ頃、〈東京バンドワゴン〉のカフェでは、籠に入った3、4ヶ月の赤ちゃんが置き去りにされているのが見つかる。

感想

「東京バンドワゴンシリーズ」2作目です。
一見、てんでバラバラなんだけど、家族の温かみを感じる堀田家にハマってしまって、2作目に手を出してしまいました。
下町人情ものと言えば良いのでしょうか。癖になってしまう作品です。

シリーズものですが、主要登場人物に大きな動きがあるようですね。
このシリーズも、順番通りに読むのが正解のようです。

広義のミステリになるのかと思いますが、日常の何気ない謎を解いていくお話。
そういう意味では、米澤穂信さんに通ずるものがあるのかなぁ?


この他、『恋の沙汰も神頼み』、『幽霊の正体見たり夏休み』、『SHE LOVES YOU』が収められています。

『恋の沙汰も神頼み』
初老の男性が、近代文学を50冊、売却のために持ち込んできた。
しかし、その翌日から、自分で持ち込んだ本を1冊ずつ買い取っていくという、謎の行動に…

『幽霊の正体見たり夏休み』
葉山にある親戚の家に遊びに行っていた花陽と研人が帰ってきたが、仲良くなったおばあちゃんから、古書をお土産にもらってきた。
勘一はその本を見て、「幽霊かもしれねぇなぁこいつは」と呟く。

『SHE LOVES YOU』
事件現場に、〈東京バンドワゴン〉の検印が押された紙が落ちていた。
この検印は、目録以外に貼ったことがないものだったが、〈東京バンドワゴン〉の目録は、かつて回収し、焼却処分したはずだった。

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