伊坂幸太郎さんの『ラッシュライフ』を読みました。
あらすじ
仙台を目指す画商と画家、プロフェッショナルな空き巣を自尊する男、夫と別れて不倫相手との再婚を目指す心理カウンセラー、職を失ってから再就職口が見つからない男性…
様々な事情を抱えた男女らの人生が、仙台を舞台に絡み合う。
感想
伊坂幸太郎さんの作品は、何を読んだっけ?と思いながらページをめくり始めたのですが、読みはじめてすぐに『グラスホッパー』の方だなと気づきました。
『グラスホッパー』などと同様に、主要登場人物それぞれの視点で、代わる代わる物語が描かれていきます。
そして、時にニアミスし、時に複雑に絡み合い、独特の空気感を作りだしています。
途中までは、視点がコロコロ変わるし、何がどう繋がるのかわからなくて、読みづらいなぁと思いながら読み進めていったのですが、最後にすべてが結びつくと、ムフフと笑い出したくなります。
タイトルの『ラッシュライフ』の「ラッシュ」には、4つの「ラッシュ」、lash(むちうつこと、激しく動かす)、lush(豊富な、のんだくれ)、rash(無分別な、発疹)、rush(突進する、忙殺)がかけられているようです。
もちろん、理想なのはlush life(豊潤な人生)でしょうが、皆が皆そうなるはずもなく、それぞれのラッシュライフに向かっていくことになります。
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