森博嗣さんの『馬鹿と嘘の弓』を読みました。
あらすじ
探偵事務所の所長・小川令子と加部谷恵美は、匿名の人物からの依頼を受け、ホームレスの青年・柚原典之の調査を開始した。
依頼内容は、柚原を見つけ出し、見守ること。
ある日、小川令子は柚原の近くで別のホームレスの男性が倒れるのを見て病院へ搬送を要請するが、死亡が確認される。
そのホームレスの持ち物の中から、柚原の写真が発見される。
感想
シリーズ外作品となっていますが、「Xシリーズ」の最終話『ダマシ✕ダマシ』の半年後が描かれています。
『ダマシ✕ダマシ』で探偵事務所を譲り受けた小川令子と、「Gシリーズ」に登場した加部谷恵美が登場します。
きっと、「S&Mシリーズ」から「Vシリーズ」、「四季四部作」、「Gシリーズ」、「Xシリーズ」と読んできた人にだけわかる面白さがあるんだろうなぁと思いながら読んでいました。
もちろん、1作で完結していますので、この作品だけを読んでも楽しめると思いますが。
『ダマシ✕ダマシ』の最後で、ひょっとしてと思ったことは、私の想像通りだった様子。
「Xシリーズ」の最後の最後で「Gシリーズ」と融合して、この作品で発展…
なかなかニクい展開をしてくれますなぁと。
物語の方は、やっぱり少しわからない森ワールドって感じ。
ただ、ホームレスの青年を見守るだけという、目的の見えない依頼内容。
亡くなったホームレスも自然死ということで、どこへ向かっているのかよくわからないまま話が進んでいきます
このホームレスの青年が妙に理屈っぽくって、そのうち何か大きなことをしでかしそうということがほのめかされるのですが、それっぽいことがなかなか起きないし…
何だか良くわからないままに、ページをめくり続けたって感じでした。
それでも、手を伸ばしてしまう、そんな魅力がある作家さんなのですが…
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