中山七里さんの『殺戮の狂詩曲』を読みました。
あらすじ
介護付き有料老人ホーム〈幸朗園〉で、入居者9人が惨殺される事件が発生した。
犯人は〈幸朗園〉で働く介護士・忍野忠泰。
宿直の職員3人を拘束したのち、全入居者39人を殺害しようとしていた途中で、偶然園に残っていた園長に解放された職員によって取り押さえられた。
忍野の弁護を引き受けたのは、かつて〈死体配達人〉と呼ばれる事件を起こした御子柴礼司。
〈死体配達人〉と令和最初で最悪の凶悪犯。
御子柴は、裁判で忍野の無罪を主張する。
感想
「御子柴礼司シリーズ」の6作目です。
これまで、法廷で大どんでん返しを演じてきた御子柴ですが、今回ばかりは勝ち目がなさそう。
9人を殺害し、精神鑑定でも責任能力ありとされたとなると、さすがにね…
何かあるとすれば、離婚以来忍野が1度も会ったことがない父親からの遺伝とか??
死刑は免れないことが予想される裁判の弁護を引き受けた理由はなんなのか?
被害者遺族の家を1軒1軒まわる御子柴の様子にも、いつもの覇気が感じられません。
この状況で、最後の最後に〈どんでん返し〉を持ってきた中山七里さんは、凄いというか、恐ろしいというか…
これまでの「御子柴礼司シリーズ」とは一風変わった作品でしたが、こんな作品もありかなぁと思いました。
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