森博嗣さんの『キウイγ(ガンマ)は時計仕掛け』を読みました。
あらすじ
伊豆にある日本科学大学で行われる建築学会の前日、大会本部宛に荷物が届いた。
中にはキウイが1つ。てっぺんにはプルトップが刺されていた。
また、キウイと箱には「γ」と記載されていた。
その夜、学長の福川啓司の部屋で蔵本寛子が話をしていると、男が押し入ってきて、福川を拳銃で殺害した。
感想
加部谷恵美は、M大学の助教になった山吹早月と共著の論文を発表するために、雨宮純は学会の取材をするために、建築学会を訪れます。
当然、犀川創平、西之園萌絵、国枝桃子、海月及介も集まり、久々に主要登場人物が一堂に会することになります。
恵美は思いがけず発表をすることになって、緊張の様子。
「わかるなー」と思いながら読んでいました。
かく言う私は、学会の発表の場で記憶が飛んだことがあるんです。
東京で国際会議が行われたときに、若手部門の発表に挑んだことがあるのですが、苦手な英語での発表ということもあり、緊張で脚が震えるような状況に。
発表開始早々、指導教授の「エヘン」という咳払いを聞いた瞬間、頭が真っ白に。
気がついたら、スライドは残り3枚くらい。
思いっきりすっ飛ばしたかと思ったのですが、時計を見るとそうでもない様子(時計を確認するあたり、やけに冷静…)。
あとで聞いたら、普通に説明していたとのことですが、その間の記憶は一切残っていません…
まぁ、そこまで緊張する人間の方が珍しいのでしょうが、恵美が緊張している様子が微笑ましく思えてしかたありませんでした。
恵美の友人である雨宮純も、良いキャラクターだなぁと思いながらいつも読んでいます。
妻が名古屋出身ということもあり、名古屋弁丸出しのトークに親近感を覚えますし、男前な性格も気持ちが良い。
森博嗣さんの作品って、こういう中性的なキャラクターがよく登場しますよね。「S&Mシリーズ」の反町愛だったり、「Vシリーズ」の小鳥遊練無だったり…
こういうキャラクターを1人置いておくことで、話に広がりが出るのでしょうか?
久々の全員集合でしたが、やっぱりこのメンバーが揃うと面白いなぁと思いました。
地理的に離れているのでなかなか難しいですが、このメンバーが揃うところをまた見てみたいなぁと思いました。
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