米澤穂信さんの『本と鍵の季節』を読みました。
あらすじ
『913』
図書委員の堀川次郎と松倉詩門は、1年先輩の浦上麻里から、自宅にある亡くなった祖父の金庫を開けて欲しいと相談を受ける。
麻里は祖父から「大人になったら贈り物がわかるはずだよ」と言われていた。
金庫が置かれているのは書斎。
2人は書斎に置かれた遺品の中に、金庫を開けるためのヒントが隠されているのではないかと推理する。
感想
米澤穂信さんらしく、日常の小さな謎を解き明かしていく作品になっています。
ただ、「古典部シリーズ」や「小市民シリーズ」とは異なり、ちょっと犯罪や事件が絡んでいます。
そのためかどうかはよくわかりませんが、文章に緊張感があるように感じました。
「古典部シリーズ」や「小市民シリーズ」も良いけど、この「図書委員シリーズ」も好きですね。
この他、『ロックオンロッカー』、『金曜に彼は何をしたのか』、『ない本』、『昔話を聞かせておくれよ』、『友よ知るなかれ』が収められています。
『ロックオンロッカー』
友人を紹介したらカット料4割引の券をもらった堀川は、松倉を誘って美容室へ行くが、店長が「貴重品は、必ず、お手元にお持ちくださいね」と、この日に限って「必ず」と強調されたことに疑問を持つ。
『金曜に彼は何をしたのか』
図書委員の後輩・植田登の兄・昇が、夜間に校舎のガラスを割って侵入し、テスト問題を盗もうとしたのではないかという嫌疑をかけられた。
植田から相談を受けた堀川と松倉は、植田の自宅で昇のアリバイを証明するものを捜索する。
『ない本』
3年生の香田が自殺した。
香田のクラスメイト・長谷川が、図書室で当番をしていた堀川と松倉に、香田が最後に読んでいた本を見せてほしいと依頼してきた。
『昔話を聞かせておくれよ』
図書室で当番をしていると、松倉が「昔話をしようぜ」と言いだした。
松倉は、近所の空き巣被害を見て、金目のものを別の場所に移したまま亡くなってしまった男の話をする。
『友よ知るなかれ』
松倉の行動に疑問を持った堀川は、1人図書館を訪れる。
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