辻村深月さんの『冷たい校舎の時は止まる』を読みました。
あらすじ
初雪が降った日、私立青南学院高校に通う生徒8人がいつも通り登校すると、学校の中はもぬけの殻だった。
1階の窓と扉は中から開けることができず、校舎内に閉じ込められてしまう。
しかも、教室の時計、腕時計、携帯電話の時計はすべて5時53分を指したまま止まっている。
8人は、2ヶ月前の学園祭最終日にクラスメイトが飛び降り自殺をしたことが原因ではないかと考えるが、誰が飛び降りたのかを、誰も思い出すことができない。
感想
この作品を読みはじめて、はじめに頭に浮かんだのが楳図かずおさんの『漂流教室』。次が東野圭吾さんの『パラドックス13』でした。
私の貧素な知識では、それくらいしか思い浮かびませんでした。
どちらかというと、『漂流教室』に近かったかな?
8人の高校生が時空の狭間に迷い込んでしまい、〈ホスト〉によって、1人また1人といなくなってしまいます。
次は誰が?とか、この空間から消えることは何を意味しているのか?といったことに頭を悩ませながら読み進めていくことになります。
あんな結末や、こんな結末を、いろいろと思い浮かべながら読みましたが、誰が自殺したのかについては想定の範囲内。
でも、その外側にもう1つ2つ大きな仕掛けが施されており、そういうことだったのかと、思わず唸ってしまいました。
最後の章にあたる第19章「ひとつだけ」は、実は私も学生時代の仲間と同じようなことをしていて、自分と重ね合わせてしまったりしました。
新型コロナウイルスの影響等で、この3年は開催できていないんだけど、今年こそは…と思っていたりします。
作者が「名刺代わりの話」というだけあって、読み応えのある作品に仕上がっていました。
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