【読書】米澤穂信『追想五断章』

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米澤穂信さんの『追想五断章』を読みました。

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あらすじ

父親の死に伴って大学を休学し、伯父が営む古書店を手伝う菅生芳光が店番をしていると、北里可南子が訪ねてきた。
前日に甲野十蔵の家から引き取ってきた古書の中にまぎれている、『壺天』という雑誌、しかも、父親が〈叶黒白〉という筆名で投稿した小説が載っているものを探しているのだという。
可南子が父の遺品を整理しているときに、はじめて父が少なくとも5編の小説を書いていたことを知り、その行方を探しているのだと言う。

感想

芳光は1編10万円の報酬で〈叶黒白〉の小説を探すことになる。
その5編の小説は、いずれもリドルストーリー:結末を書かずに、読者の想像に委ねる話になっていた。

謎解きの話なので、ミステリに分類されるのでしょうが、米澤穂信さんらしく、殺人事件が起きない、日常の謎を解く話になっています。

5編の小説が掲載されている本を探すことはもちろん、それぞれのリドルストーリーがどのような意味を持つのか、〈叶黒白〉はどのような結末を想像しながら書いたのかなど、2重にも3重にも謎が張り巡らされています。

古書にまつわる謎というと、どうしても『ビブリア古書堂の事件手帖』を思い浮かべてしまうのですが、栞子さんが膨大な本に関する知識をもとに謎を解いていくのに対し、この作品は、古書についてはずぶの素人とも言える芳光が想像力で謎を解いていく。そんな違いがあります。

ひょっとして、この小説自体もリドルストーリーになっているのでは?という思いが、途中頭をよぎりましたが…そこは読んでのお楽しみということで。

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