中山七里さんの『合唱 岬洋介の帰還』を読みました。
あらすじ
幼稚園で、園児3人、教諭2人が刺殺される事件が発生した。
犯人は仙街不比等。
しかし、仙街は逮捕時に覚醒剤を打っており、事件発生時も覚醒剤のために記憶がないと言う。
心神喪失のため、無罪になる恐れがある案件を天生高春検事が担当するが、取り調べの最中に意識を失い、目が覚めたときには仙街を銃殺した犯人に仕立て上げられていた。
感想
オールスター競演!と言いたくなるような、豪華なキャストが揃い踏み。
あのシリーズのあんな人や、このシリーズのこんな人など、中山七里さんの作品をまだ半分も読んでいない私でさえわかるほど、豪華メンバーが揃って出演していました。
ひょっとして、タイトルの『合唱』というのは、そこにもかけられていたのかな?なんて思ってしまったり…
今回裁判にかけられてしまった天生高春は、『もういちどベートーヴェン』で、岬洋介が司法研修所で同じグループになった人物。
タイトルから見てわかるとおり、岬はこの時の約束を守って、天生のピンチに駆けつけます。
「まさかなー、そんなわけないよなー」と思うことが次々と起きていって、もうお腹いっぱい状態。
真犯人に関して意外性はそれほどなかったですが、そこに辿り着くまでの筋道のつけ方が、さすが中山七里さん。
それにしても、法曹界にあまりに詳しいのですが、どこでそんな知識を得られたのでしょうか?
ちなみに、最後の裁判のシーン、ジェフリー・アーチャーの『運命の息子』を思い出してしまいました(ネタバレになってしまったらゴメンナサイ)。
また、文庫の巻末には、2019年3月までに刊行された中山七里さんの作品の人間関係を纏めた『中山作品・人物相関図』が収められています。
この作品に限らず、シリーズを跨いでキャラクターが相互に登場するのが中山七里さんの作品の特徴のひとつ。
この人物相関図だけでも、この本を購入する価値があるんではないかと思ってしまいます。
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