中山七里さんの『ラスプーチンの庭』を読みました。
腎臓疾患で入院している警視庁の刑事・犬養隼人の娘・沙耶香と同じフロアに、慢性糸球体腎炎で入院する庄野祐樹がいた。
祐樹は病院での治療をやめ、民間療法に切り替えたが、1ヶ月後に死亡した。
祐樹の葬儀に参列した犬養と沙耶香は、祐樹の身体に無数の痣があることに気づく。
半月後、公園の木で首を吊っている女性の死体が発見される。
女性は癌で闘病しており、覚悟の自殺だったが、この女性の身体にも無数の痣が残されていた。
「刑事犬養隼人シリーズ」の第6弾。
現在のところ最新刊です。
毎回、医療に関する問題を取り上げるこのシリーズですが、今回のテーマは民間療法。
これまでの、子宮頸がんワクチンや臓器売買などに比べると、大きな社会問題になっていないというイメージがあるのですが、私がちゃんとニュースを見ていないだけでしょうか。
今回は、警視庁捜査一課強行犯係の刑事・犬養が出て行く必要の無いような状況が続きます。
刑事としてではなく、臓器移植しか方法がない難病の娘を抱えた父として、突き動かされている感じ。
ようやく事件に発展し、捜査本部が立ち上がるのは終盤。
残りページ数がこれだけしかないんだけど、まさか〈次回へつづく〉ってならないよね?と、ヒヤヒヤしながら読んでいました。
物語の最後、エピローグにあたる部分は好きだな。
この1場面が加わる「刑事犬養隼人シリーズ」は、私のお気に入りです。
過去の「中山七里」記事
過去の「刑事犬養隼人」記事
コメント
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私も今、この犬養シリーズを読んでます。
多分、3弾か4弾…
中山七里さんはシリーズものが多いので混乱してます(^o^;
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>takakoさん
コメントありがとうございます。
中山七里さんの作品って、数も多いですが、人物がシリーズを跨いで出てくるので、その度に頭の中の引出しをあちこち開けないといけないのでちょっと戸惑いますよね。
でも、逆に考えると、シリーズ、ノンシリーズを通して、
警視庁捜査一課:犬養隼人
埼玉県警捜査一課:渡瀬、古手川
埼玉の法医学者:光崎教授
検事:岬恭平
辣腕弁護士:御子柴礼司
ダメ弁護士:宝来兼人
でほぼ統一されているので、慣れてしまえば人物間の関係がわかりやすい&ほぼ順番関係なく読めるので、ストーリーに集中できるような気がします(^^)