赤川次郎さんの『吸血鬼に鐘は鳴る』を読みました。
あらすじ
神代エリカは父のフォン・クロロックとともに、ドイツの小さな町に木彫りのキーホルダーを買い付けにやってきた。
この町の小高い丘の上には修道院があって、日本で女優として活躍した光田麻里がいた。
5年前、妻子ある男性が麻里との恋に破れて自殺したあと、この地に来て修道女として生活していたのだった。
感想
今回の舞台は、赤川次郎さんが大好きなドイツでの物語。
細々としたところに、さすがドイツ通だなと思わされる描写がありました。
クロロックが述べた「修道院に入った人の過去を知っても、意味のないことではありませんか?」という言葉にドキッとさせられました。
私は芸能人のゴシップ記事などに興味はありませんが、好きな俳優さんや女優さんの記事だと、ついつい目がいってしまうもの。
それが普通の人間の感覚なのかも知れませんが、あまり褒められた趣味ではないよなぁと思ったり。
表題作のほか、『吸血鬼とバラ色のドレス』、『吸血鬼は鏡の中に』が収められています。
『吸血鬼とバラ色のドレス』
美術館で開催されている肖像画展を見に来たエリカとクロロック。
ある女性の肖像画の前に立ったクロロックが、「ドレスの色が違う!」と言い出した。
『吸血鬼は鏡の中に』
一杯引っかけて帰宅中の梶本雄次は、「買いませんか」という言葉に足を止めた。
その男が売っていたのは鏡だった。
帰宅してその鏡に映った自分の姿を見ると――。
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