大倉崇裕さんの『クジャクを愛した容疑者』を読みました。
あらすじ
金持ちの令息令嬢が通うことで有名な学同院の学生・栄野川明夫が殺害された。
河川敷に遺棄された栄野川の死体の傷口にはクジャクの糞が付着しており、手にはクジャクの羽が握られていた。
容疑者としてあげられたのは、学同院のクジャク愛好会の会長・高木悠介。
学同院で飼われているクジャクの世話を依頼された警視庁総務部動植物管理係の須藤らは、クジャクの様子を見に行くが、残りのメンバーによって無事世話が行われていることを確認する。
しかし、須藤と部下の薄は、高木が犯人だという説に違和感をおぼえる。
感想
「警視庁いきもの係シリーズ」4冊目となります。
ついに、警視庁総務部動植物管理係に人員の補充が!
須藤は、自らはリハビリ中の身で、いつかは現場に戻らなければならないし、薄は動物関連団体から引く手あまたの身なので、将来を見据えての補充と前向きに捉えますが、補充されてきた人物は…
その一方で、回を重ねるごとに、夫婦のように、ではなく、夫婦漫才のように息がぴったりと合ってきた須藤と薄。
特に薄は、動物のことに関してだけではなく、人間の方の事件にも冴えたカンを見せ始めます。
個人的には、長く続けて欲しいシリーズだなぁと思っています。
表題作のほか、『ピラニアを愛した容疑者』、『ハリネズミを愛した容疑者』が収められています。
『ピラニアを愛した容疑者』
マンションに囲まれた公園の池に、ピラニアが放されているのが見つかった。
現場に居合わせたペットショップの経営者が回収して事なきを得たが、今度はその公園に隣接するマンションの1室で男性が殺害された。
男性はピラニアを飼っており、その水槽の中にある証拠品を回収してほしいと、いきもの係に要請がくる。
『ハリネズミを愛した容疑者』
子供服専門店に勤める女性・大谷弓子が強盗に襲われた。
入院した弓子に代わって、ペットのハリネズミを世話するよう、須藤らに要請がかかった。
須藤の部下・薄は、弓子のハリネズミ友達を辿って、強盗犯の行方を追う。
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