中山七里『総理にされた男』

中山七里さんの『総理にされた男』を読みました。

 

 

何の因果か、時の首相・真垣統一郎に瓜二つの売れない俳優・加納慎策は、舞台の前座で行う真垣のモノマネで人気が出かかっていた。
そんな時、同棲という名の下に転がり込んでいた恋人・安峰珠緒の部屋から出たところで2人組の男に拉致されてしまった。
慎策が連れて行かれたのは総理大臣官邸!
そこで待ち受けていた官房長官の樽見政純は、真垣が感染症にかかって意識不明のため、復帰までの間、慎策に代役を頼みたいのだと言う。

導入に少々強引さを感じますが、その後の充実具合を考えると、あそこでページ数を割かなかったのは大正解だったのではと思えてきます。
なにしろ、中身の濃い作品。
久しぶりにずっしりとくる読書をしたなぁといった印象です。
でも、疲れるとか、眠くなるといったようなものではなく、充実した読書って感じなんですよね。

それにしても、中山七里さんって、本当によく勉強されているなぁと、改めて感じました。
作品の中で出てくる政局は、どれも見たことのあるようなものなのですが、一般人にもわかりやすいようにかみ砕かれていて、本当にわかりやすい、と思う一方、自分の不勉強さが情けなくもなってしまったり…

4章のvs.テロから、5章のvs.国民にかけての部分は、なんであれを持ち出さないのかなぁ?と、不思議に思いながら読み進めていたのですが、さすがは中山七里さん。見落としはなかったようです。
(見落としているようであれば、ここで指摘してやろうと思ったのに!(笑))

私の場合、面白い作品を読むと、ページをめくる手が止まらなくなるのですが、この作品に関しては、1字1句漏らさないように、じっくりと読ませてもらったという表現がぴったりときます。

面白いなぁ。でも、私のオススメリストに追加するかどうかは悩むところだなぁと思いながら読んでいたのですが、エピローグ、特に最後の1行で追加決定です。
私のオススメ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

過去の「中山七里」記事

 

 

 

 

 

 

 

にほんブログ村 小説ブログへ
にほんブログ村

 

coralの読書記録 - にほんブログ村

 

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました