大倉崇裕さんの『蜂に魅かれた容疑者』を読みました。
あらすじ
路線バスの車内にスズメバチが迷い込む事件が発生。
剣道3段の老人が丸めた新聞紙で一撃して事なきを得たが、後日、ハイキング中の男性が蜂に刺されて入院する事件が発生した。
道が二股に分かれるところで、左に行けという指導標が出ていたというのだが、あとで調べてみると、指導標などなかったと言われてしまう。
さらに、高速道路を走行中の車に、スズメバチが入った箱が投げ込まれる事件が発生し…
感想
『ペンギンを愛した容疑者』、『小鳥を愛した容疑者』に続き、私にとって大倉崇裕さんの「警視庁いきもの係」シリーズ3冊目です。
本を開いてまず驚いたのが、長編であること!
これまでの2冊は4編の短編が収められた短編集だったのですが、初の長編。
短編だからこそ活きるリズム感だったり躍動感だったりするんじゃないかなぁと思っていたのですが、読んでみると、リズム感や躍動感はそのままに、よりスケールの大きな作品になっていました。
短編から長編になると、ちょっと残念ってなるシリーズもあるのですが、これは長編になると大きく化けるタイプのシリーズなのかも知れません(東野圭吾さんの「ガリレオシリーズ」がそんなシリーズの1つですよね)
蜂に関する知識はそれなりに持っているつもりでしたが、薄圭子巡査の前では、知識と呼べるようなものでは…
本当に、大倉崇裕さんの知識には頭が下がります。
今回は、オウム真理教をイメージしたのかな?と思われる新興宗教団も出てきて、よりスケールの大きな事件に。
そんななかで、警視庁総務部動植物管理係がどう活躍するのか見物です。
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