中山七里さんの『ハーメルンの誘拐魔』を読みました。
あらすじ
15歳になる月島香苗が誘拐された。
香苗は重度の記憶障害で、母の綾子の名前や、関係までも忘れてしまう状況だった。
さらに、16歳の女子高生・槇野亜美が下校途中に誘拐された。
亜美の父親は、日本産婦人科協会の会長を務める人物だった。
感想
「刑事犬養隼人シリーズ」の長編としては、『切り裂きジャックの告白』に続いて2作目となります。
『切り裂きジャックの告白』では、臓器移植法を取り上げた中山七里さんですが、今回は子宮頸がんワクチンの副反応。
『さよならドビュッシー』などの音楽をテーマにした作品を読んでいると、と言うか、主人公である犬養隼人を見ていると、医療に関わる事件を取り扱いそうにないように思えてしまうのですが、どちらの作品もなかなか核心を突いているような気がします。
子宮頸がんワクチンの副反応については、皆さんのよく知るところだと思いますが、新型コロナウイルスのワクチンだって、中期、長期的な副反応の確認はおこなわれていないわけですから、これで大丈夫なのかなぁと思ったり…
でも、まずは感染拡大を食い止める必要があったので、効果とリスクを天秤にかけると、致し方ないところなのかなぁと思ったり…
コロナ禍であるこのタイミングでこの作品を読んだことにより、より深い読書ができたかなぁと思いました。
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