赤川次郎さんの『おやすみ、夢なき子』を読みました。
子どもの中学入試の説明会で意気投合した田所朋余と若菜愛子。
しかし、朋余の幼馴染みで、28年前に行方不明になった平本亜紀子の死体が、廃屋の壁の中から見つかった。
一方、父親殺しの罪で死刑判決を受けた谷川恵美子は、刑事の松本悟の手によって、裁判所から連れ去られる。
朋余と愛子、恵美子の3人には、子供の頃に夢をみなかったという共通点があった。
軽い語り口なので、これまでそうは思わなかったのですが、最近、赤川次郎さんの作品って複雑なストーリー展開をしているなぁと思うことが多いです。
登場人物をいくつかのグループに分け、それらを複雑に絡めながらストーリーを展開していく。
頭に浮かんだアイデアをそのまま書き起こしていっているのかと思っていましたが、しっかりとしたプロットが作られていそうです。
それでいて、この執筆速度。やっぱり、赤川次郎さんは5人くらいいるんじゃないかと思ってしまいます。
今回の作品『おやすみ、夢なき子』は、子供の頃に夢をみた記憶がない女性たちの物語。
その理由がわかったとき、なんとも言えない思いに駆られました。
その主題は作品を通じて突き通されているのですが、作品を読んでいる途中はそうと気づかない。絶妙なストーリーになっていました。
こういう作品も好きだけど、ちょっと重たいかなぁって感じです。
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