東野圭吾さんの『魔球』を読みました。
あらすじ
東西電機の本社ビルに時限爆弾が仕掛けられた。
時限装置には発火しない仕掛けが施されていたため、幸い爆発には至らなかったが、後日、社長の中条健一が誘拐されてしまう。
一方、超高校級投手・須田武志と捕手・北岡を擁する開陽高校は春の選抜高校野球大会に出場。
1回戦で優勝候補の亜細亜学園を九回二死まで1対0と追い詰めたが、最後に須田の暴投で力尽きた。
甲子園出場の際の写真に、北岡は「魔球を見た」と書き残した。
感想
大きく2つの「どんでん返し」が用意されているのですが、その1つめが強烈。
まったく予期していなかったタイミングで、思いも寄らぬ方向からパンチが飛んできたような衝撃を受けました。
2つめは、東野圭吾さんならもう1つ用意されているんだろうなと、構えていたところでのどんでん返しだったので、ある意味想定の範囲内。
そういう可能性だって考えていなかったわけではありませんでしたし…
事件の謎については、あちこちに散りばめられたヒントをつなぎ合わせていけば、読者にも正解に辿り着けるものとなっています。が、よっぽど注意深くて、あらゆる可能性を考えられる人でなければ、正解に辿り着けないかなぁと思いました。
最後に明らかにされる「魔球」の意味については、身体が震えました。
1985年に江戸川乱歩賞をとった『放課後』から、1999年の『秘密』までの間に書かれた、東野圭吾さんとしては評価の低い期間に書かれた作品ですが、読む価値あり!だと思います。
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