赤川次郎さんの『本日もセンチメンタル』を読みました。
成屋詩織が恋人の本間隆志と、友人の水嶋添子と買い物に行ったところ、立てこもり騒ぎに遭遇した。
人質になったのは詩織!
警察が突入する寸前、犯人は詩織と共に投降したが、2人はなぜかワンワンと泣いていた。
犯人の話を聞いているうちに泣き出してしまったのだという。
立てこもり犯の桜木のアパートを訪ねた詩織と隆志は、ガスが出しっぱなしになった部屋で倒れている母子を発見。
母親の啓子は詩織と同じ17歳。子供は生後5ヶ月だったのだが、啓子は九州の暴力組織の大ボスの娘だった!
これまた赤川次郎さんらしい作品です。
1986~88年に連載された作品だそうですが、この時期の赤川次郎さんの作品は、良く言うと赤川次郎さんらしさを構築していった時期。悪く言うとワンパターンな作風と言うことができるでしょうか。
ワンパターンというと聞こえは悪いですが、作品を読んで「赤川次郎さんらしいな」と思ってもらうのは、そう簡単なことではありません。
『本日もセンチメンタル』というタイトルですが、はじめの方はちょっとこじつけっぽく、「詩織=センチメンタル」という世界を作りあげようとしているような気がしました。
中盤以降は「冒険活劇」と言っても良いようなドタバタ。
最後に・・・といった流れになっています。
正直言うと、1年後にタイトルを聞かされて、どんな話だったか述べよと言われても、ちょっと自信のないタイトルなのですが、赤川次郎さんらしさの中で投じた変化球だったのでしょうか。
過去の「赤川次郎」記事
コメント