東野圭吾さんの『手紙』を読みました。
あらすじ
武島剛志は、弟・直貴の大学進学費用を都合するため、盗みに入ったが、住人の老婦人に見つかり、騒がれたため老婦人を殺害してしまう。
直貴は、リサイクルの仕事をしながら通信制の大学へ入学し、翌年には通学課程に編入。
仕事をしながら学問を続けるが、兄が強盗殺人犯であるという事実が大きくのしかかる。
感想
つい何ヶ月か前に、赤川次郎さんの『真実の瞬間』を読んだとき、加害者家族についていろいろ思い悩んだのを思い出しました。
子供の行動に親が責任を持つべきという観点から言うと、ある程度親の責任が問われるのは仕方ないのかなと思ってしまいます。
しかし、親の罪や、姉、兄が犯した罪をどこまで背負わなければならないのかは、いまだによくわからないでいます。
直貴の勤め先の社長である平野の言葉は、世間から見た加害者家族の見方を描いているように思いましたが、なかなかシビア。
でも、そこから直貴たちがどう立ち上がっていくかというのは、私が抱いている疑問に1つの解を与えてくれたような気がします。
ただ、平野が言うとおり、正解はないのだなということも、改めて感じました。
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