赤川次郎さんの『路地裏の吸血鬼』を読みました。
峰岸秀一が迷い込んだ袋小路の板塀を拳で叩くと、ぽっかりと入り口ができた。
中に入ると、立派なドアがあり、その中に入ると豪華な居間のテーブルの上にステーキが置かれていた。
至福のひとときを過ごした秀一だったが、全身の血を抜かれた状態で見つかってしまう。
コバルト文庫向きの話なんじゃないかなぁと思いました。
そういう視点で見ると、若者が学ぶこと、知っておいてほしいことがしっかりと詰まっているように思います。
今回はフォン・クロロックやエリカの派手な活躍はありませんでしたが、原点を確認したようで、悪くないなぁと思いました。
ただ、最近催眠術を多用しすぎ。
時間短縮にはなりますが、何でもありになってしまうので、ちょっと面白みに欠けてしまう気がします。
表題作のほか、『吸血鬼の人生相談所』、『吸血鬼出張手当』が収められています。
『吸血鬼の人生相談所』
エリカの友人の安田佳子は、めちゃくちゃな回答がうけて、TV番組の人生相談のコーナーを受け持っている。
ある日の生放送で、人を殺したくなる病気だという男から電話がかかってくる。
『吸血鬼出張手当』
急遽、継母(かつ1歳年下の)涼子に呼び戻されたエリカは、父のフォン・クロロックのドイツ出張に同行することに。
ドイツへ向かう飛行機の中で、フランクフルトでの演劇イベントに参加するK大の田口と偶然再会するが、空港に田口を迎えに来ていた女性が、テロリストに似ていることに気づく。
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