森博嗣さんの『そして二人だけになった』を読みました。
あるプロジェクトに関わる6人は、A海峡大橋のアンカレッジに秘密裏に造られた国家機密の核シェルターで4週間の実験を行うことになった。
しかし、勅使河原潤は弟が代役を務め、勅使河原の秘書の森島有佳は双子の妹が代役を務めていた。
無難にスタートしたかに見えた実験だったが、2日目の朝にシステムが緊急事態モードになり、シェルターからの退出が不可能に、さらに、電話も不通になる。
そして、物理学者の志田雄三の死体が発見される。
面白い作品だと思ったのですが、残念だった点がいくつか。
まず、国家機密級の核シェルターを扱っているにもかかわらず、文章に盛り上がりが感じられませんでした。
せっかく用意した舞台なのだから、もっと凄いんだぞ!と言っても良かったのかなと…
また、死体の発見シーンにも同じことが言えるように思いました。
起伏がなく、なんとなく人が殺されていくように感じられました。
さらに、2人になってからの緊迫感が伝わってくるともっと面白かったかなぁ。
最後に…
最後の1捻りは必要だったのかなぁ??
私としては、その前の目からウロコが落ちるような推理までで十分だったんですけど…
文句ばかり並べてしまいましたが、それは文句を並べる価値のある作品だったということ。
特に最後の部分でうーんと思ってしまいましたが、それまでは楽しく読むことができました。
壮大なスケールの作品でしたし、登場人物の設定が最後に生きてくる、良い作品だったと思います。
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