赤川次郎さんの『三毛猫ホームズの暗闇』を読みました。
片山らが乗っていた長距離バスがトンネルの崩落事故に巻き込まれ、トンネルの中に閉じ込められてしまった。
バスには、恋人を殺害して逮捕された八木沢勇の母と妹と、殺害された永田こずえの母と兄が乗り合わせていた。
トンネルの崩落事故に巻き込まれたにもかかわらず、乗客たちが落ち着いて行動しているのが気になりました。
通常、パニックになるところなのでしょうが、片山刑事の手腕によるものなのか、作者の筆力の無さなのかと考えてしまいます。
まぁ、パニックを起こしても、短編で書けることは限られているというのが実際のところなのでしょうが…
話の展開は巧みで、赤川次郎さんらしい作品に仕上がっています。
表題作のほか、『三毛猫ホームズの無邪気』、『三毛猫ホームズの涙雨』、『三毛猫ホームズの包囲網』、『三毛猫ホームズの沈没』が収められています。
『三毛猫ホームズの無邪気』
住宅メーカーの創業者であり社長でもある原山公三郎が、ある日突然幼児化し、手をピストルに見立てて人を撃つようになってしまった。
1ヶ月ほど経ったある日、レストランで原山が本当に拳銃を手にして…
『三毛猫ホームズの涙雨』
水上弥生の父・竜介が、連続少女殺害事件の犯人として警察に追われる身になってしまう。
弥生は同じ会社の若原雄一と交際していたが、若原との関係も清算しようと覚悟を決める。
『三毛猫ホームズの包囲網』
T国国王の警護のため東京にやってきた足立は、ビルの外壁に寄りかかって血を流している刑事に出会う。
その刑事は、奥にある3階建てのビルを見張れと言うのだが…
『三毛猫ホームズの沈没』
湖で片山一行が乗った遊覧船が、他の船と衝突して浸水した。
事故による被害者はいないと思われたが、船の中で他殺の疑いのある死体が見つかる。
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