赤川次郎さんの『三世代探偵団 春風にめざめて』を読みました。
あらすじ
画家の天本幸代、幸代の娘で女優の文乃、文乃の娘で高校生の有里。
天本一家が往年の大女優・沢柳布子が主演する映画のプレミア上映会のレッドカーペットを歩いていたところ、見物客の人垣が一部崩れ、少女が下敷きになってしまった。
少女は両親を亡くし、高校1年生の時に目をかけてもらった教師・宮里修を頼って東京に出てきたが、訪ねたアパートではアダルトビデオの撮影が行われており、そこで指示を飛ばしていたのが宮里だった。
「三世代探偵団シリーズ」の第4作になります。
出版時期もあるのかも知れませんが、同時期に1作目が刊行された「キネマの天使シリーズ」がまだ2作しか刊行されていないので、ダブルスコアになってしまいました。
「キネマの天使シリーズ」の方が、赤川次郎さんが大好きな映画の世界にどっぷりと浸かれるのですが、フィルムの時代と違って、昨今の映画にはあまり興味が持てないのでしょうか。
近年、映画撮影現場を題材にした作品が減ってしまった感があります。
感想
この「三世代探偵団シリーズ」では、赤川次郎さんがお得意とする、女子高生の天野有里がメインになるのはお約束。
それを、少し離れたところから見る幸代。
この2人に対して、文乃の存在感が薄いのが、いつも気になってしまいます。
仕事らしい仕事はしていないようですし、有里を連れ回す(というか、有里がつきまとっている)刑事の村上に小言を言うくらいしか出番が無いのがもったいないなぁと。
また、この作品では、指を詰めるという、昔のヤクザ映画に出てきそうな(今も存在するのかどうかはよく知りませんが…)話が出てきますが、なぜ指を詰めることになったのかといったことが、よくわからないまま話が終わってしまったなぁという印象を受けました。
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