赤川次郎さんの『殺し屋志願』を読みました。
女子高生の新谷みゆきは、満員電車の中で30代半ばと思われる男性と乗り合わせた。
小さな駅で電車が扉を開いたとき、男性が「アッ」と声をあげ苦しみはじめた。
次の駅で男性とともに電車を下りたが、男性は背中をナイフで刺されていた。
男性は鳴海という名の殺し屋で、駅のベンチに座りながらなぜこんなことになったかを語りはじめた。
読みはじめた途端、「読んだことがある!」と思い出す、インパクトのあるプロローグ。
そして、2回目なのに、ぐいぐい惹きつけられるストーリー。
数ある赤川次郎さんの作品の中でも、光り輝く作品の1つと言っても過言ではないでしょう。
物語の性格上、時間が行ったり来たりを繰り返すのですが、まったく読みづらさを感じません。
むしろ、この時間の行き来が、静かに、そして確実に、読者の心を掴んでいっていると感じました。
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