宮部みゆきさんの『レベル7』を読みました。
大手保険会社の電話駆け込み寺である「ネバーランド」のスタッフを務める真行寺悦子が、「ネバーランド」で知り合って、友人とも言える関係になった高校生・貝原みさおが失踪した。
みさおの母親は、みさおから無事でいると電話があったと落ち着き払っているが、悦子は不審を抱き、みさおの行方を独自に追いかける。
同じ頃、都内のマンションの1室で、記憶を失った男女が目覚めた。
2人の関係も、自分の名前すらも忘れてしまっていたが、部屋の中を捜索すると、拳銃と5千万円の現金が詰まったスーツケース、血のついたタオルが発見される。
そして、腕には「Level7 ――」と刻印されていた。
「レベル7」とは、いったい何のことだろう? この作品は、どこへ向かおうとしているんだろう? と、頭の中がクエスチョンマークで一杯になりながら、前半を読むことになります。
なんとなく方向性が見えてきても、最後にどこに行き着こうとしているのかがわからないし、「レベル7」がどう事件に関係してくるのかがわからなくて、ストレスを感じながらの読書になりました。
少し長めの作品になりますが、途中で息切れというか、中だるみのような印象を受けるのがもったいないなと思いました。
同じ長さでも、ページをめくる手が止まらないのと、中だるみするのとでは、全然読んだ感じが違いますから。
あと、最終盤が、余韻に浸るわけでもなく、真相に向かって突き進むでもなく、どっちつかずになっていたのも少し気になりました。
これは余談ですが、私が読んだ文庫版では、解説を含めたページ数が777ページ。
「レベル7」に合わせて777ページにしたのであれば、編集者さんのグッジョブだなぁなんて思ってしまいました。
過去の「宮部みゆき」記事
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