赤川次郎さんの『吸血鬼心中物語』を読みました。
怪奇映画愛好会に所属する武山めぐみと本間邦広が公園でデートをしていると、近くの川で心中騒ぎが起きた。
その最中、めぐみにバッグを預けた女性が全身ずぶ濡れになって戻ってきた。
後日、文化祭のゲスト探しをしていためぐみと邦広は、フォン・クロロックと出会う。その時、クロロックが話していた相手が、心中騒ぎの時にめぐみにバッグを預けた女性だった。
めぐみが、怪奇映画とホラー映画の違いについて、「私たちが愛しているのは、あくまで昔風のゴシックロマンの香りある怪奇映画。ただ気味悪くて残酷なホラー映画とは違うの」と言う場面がありますが、これは赤川次郎さんの心の声なんだろうなぁと思ってしまいました。
ただ、クロロックが何よりも怖いのが、愛妻の涼子だってところが、このシリーズのオチになっているのですが…
表題作のほか、『吸血鬼たちの休暇旅行』、『吸血鬼は今日も睡眠不足』が収められています。
『吸血鬼たちの休暇旅行』
神代エリカとフォン・クロロックはバスで温泉旅行に行くことに。
しかし、道中バスの前に立ち塞がった男がいた。その男は町役場の防災担当で、「山の奥で地響きがしたら、逃げるんだ」と言って立ち去った。
『吸血鬼は今日も睡眠不足』
大塚啓吾は大学受験に失敗して以来、引きこもりの生活に。
母の智子と2人の生活だが、智子のバッグに以前仕掛けた盗聴器から、女性が襲われる様子が聞こえてきた。
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