【読書】赤川次郎『セピア色の回想録 – 杉原爽香49歳の春』

赤川次郎 杉原爽香シリーズ ├ 赤川次郎

赤川次郎さんの『セピア色の回想録 – 杉原爽香49歳の春』を読みました。

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あらすじ 

杉原爽香が懇意にしている往年の大スター・栗崎英子が、爽香の誕生日パーティを開くと言い出した。
しかも、91歳の大女優は、あと1年生きられるかどうかわからないので、1年早い爽香の50歳を祝う会にするというのだ。
一方、経済界の大物・三田村朋哉が回想録を書くと言い出した。
その中に、杉原爽香を登場させるというのだが、三田村家の人々は、誰も爽香のことを知らない。
さらに、爽香の娘・珠実の担任・里谷美穂は、学校の秘密を知ってしまったが故に、命を狙われる。

感想 

 「蛙の子は蛙」
爽香と明男の娘・珠実も13歳になり、ついに中学生に。
それに伴って、頭角を現してきたのが、親譲りの事件を引き寄せる力。
爽香にとっては頭が痛いところでしょうが、読者からしてみれば、『若草色のポシェット』の再来かと、懐かしく感じてしまいます。
爽香が『若草色のポシェット』でデビューしたのが、15歳、中学3年生の時。
ついに1世代にわたる作品群になったのだなぁと思うと、感慨深い想いがします。

個人的な話をさせていただくと、珠実は13歳で中学1年生。
これまで気づかなかったのですが、うちの長男と同じ年齢です。
爽香と妻が同じ年齢というのは以前から気づいていたのですが(あまり何度も言うと怒られてしまいますが…)、長男まで同じ年齢とは!
これはもう、運命ですねー 

皆さんご存知の通り、「杉原爽香シリーズ」のタイトルは、『〇〇〇〇の△△△△ 杉原爽香××歳の◎』となっています。
〇〇〇〇には色が入り、△△△△には名詞が、××には年齢が入って、◎には季節が入ります。
この、◎の部分が作品の大まかな雰囲気を表していて、秋や冬だとちょっと重たい、試練の多い作品に、春や夏だと軽めの、未来を感じさせる作品になっていることが多いです。

最近の4作品、『灰色のパラダイス』、『黄緑のネームプレート』、『焦茶色のナイトガウン』、『狐色のマフラー』は、冬、秋、冬、秋ときていたので、そろそろ暖かい季節の作品が読みたいなぁと思っていたところに春!
どういう作品になっているのだろう?と、タイトルがわかったときからワクワクドキドキでした。

三田村朋哉という人物が、どこで爽香と関わったのか、ということに関しては、あそこか、あそこか…と2つほど心当たりがあったのですが、そのうち1つが当たっていました。
三田村の口から語られたとき、この作品のテーマになっている事柄が、ここでも関係していたのだなぁと、赤川次郎さんの上手さに感心してしまいました。

今回、探偵としての才能を垣間見せた珠実。
次回作以降の展開が非常に気になります。
爽香が年老いて引退したあとも、珠実があとを受け継いで…というのも面白そうですが、赤川次郎さんの方が爽香よりも年上なので、さすがにそこまではないのかなぁとさびしく思ったり…
(いくら赤川次郎さんの誕生日が4年に1度しかやってこないといっても…)
でも、赤川次郎さんには、可能な限りこのシリーズを続けていって欲しいと思います。

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