赤川次郎さんの『吸血鬼と呪いの古城』を読みました。
あらすじ
神代エリカと大月千代子、橋口みどりの3人は、戦国ロマンを巡るバスツアーに参加する。
大河ドラマの影響で注目を浴びた町は、急遽城を建築したりして、ブームに乗ろうと躍起になっている。
しかし、エリカは雑木林の中にある古井戸で、「助けてくれ」という過去の声を聞く。
感想
赤川次郎さんの皮肉が込められた作品になっています。
なんでもブームにしてしまう日本人の気質を皮肉った作品と言えるのではないでしょうか。
それでいて、本来あるべき姿を示すことも忘れておられません。
元々が『Cobalt』に掲載された作品であることを考えるとちょっと違和感を感じる一方で、若い人たちに考えてもらう作品を書きたかったのかな?とも思えてしまいます。
表題作のほか、『吸血鬼も夢をみる』、『吸血鬼と揺れる大地』が収められています。
『吸血鬼も夢をみる』
矢野亜紀は女の子が頭上から現れた怪獣に襲われる夢を繰り返し見たあと、本当にその女の子が目の前で落ちて来た鉄骨の下敷きになるところを見る。
そして、今度は体育祭で父親が黒い犬にかみ殺される夢を見てしまう。
『吸血鬼と揺れる大地』
エリカの友人の岩口美也子は、地震で大きな被害を受けた町の出身。だが、父親が営む雑貨屋が、地震の直後に生活物資を数倍の価格で売りさばいたと、新聞に載ってしまう。
しかし、その父親に六本木のクラブを任せたいという人物が現れて…
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