赤川次郎さんの『三次元の殺人』を読みました。
香月千晶は俳優の香月秀治を祖父に持ち、女優の久井加津子を母に持つ高校生。
秀治が回想録を書くと言いだした途端、過去に秀治と噂があった女優・曽根亜也子が自宅のバルコニーから転落して死亡した。
さらに、義父の久井竜郎も、睡眠薬の飲み過ぎで死亡する。
『三次元の殺人』というタイトルに惹かれてこの本を手にしたのですが、何が3次元だったのかな?と考えながら読みました。
祖父や母が銀幕で活躍する俳優であることから、スクリーンは2次元であるのに対し、実際の殺人は3次元の世界で起きているという意味なのかな?というのが、一応の私の答え。
この作品は、『回想の殺人』、『タイムリミットの殺人』、『決められた殺人』として『COBALT』に掲載されたようなので、3つを合わせて3次元なのかな?とも思いましたが、こちらはちょっと違うかなぁ。
集英社コバルト文庫に収められるだけあって、ちょっと軽めのテンポの良い作品になっています。
俳優を家族に持つというわりには、赤川次郎さんお得意の撮影現場のシーンが少なめ。
千晶の恋人で医師の三崎がいつも暇そうなのも、突っ込んではいけないところなのでしょう。
―――9/13『セピア色の回想録 杉原爽香49歳の春』発売―――
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