赤川次郎さんの『やさしい季節』を読みました。
アイドルの安土ゆかりと女優の原田邦子は同級生。
同じ高校の2年先輩の石巻浩志は写真部の部長として2人をファインダー越しに覗いたとき、雷に打たれた。
以来、東京に出てきてからも浩志はお兄さん的な存在として、2人を支え続けている。
浩志の妹・克子を含め、若い男女が1つ大人になるまでのストーリー。
人間味のある、血の通った4人によるストーリーです。
赤川次郎さんの作品らしく、いろんな試練が待ち受けていますが、1つ1つ乗り越えていくことで、また1つ大人になっていきます。
どうしようもない人間たちが絡んでくることで、絶望の淵に立たされそうになる場面もありますが、”4人寄れば文殊の知恵”で乗り切っていきます。
4人の成長にスポットライトを当てたいがためか、赤川次郎さんにしては試練が少なかったような気も…
その分、4人の心の動きに集中することができました。
赤川次郎さんが得意とする、映画の撮影シーンも取り込まれているのですが、今回はかなり控えめ。
やっぱり、この作品は、石巻浩志、安土ゆかり、原田邦子、石巻克子の4人の物語のようです。
黒木親子も良い人たちだし、ゆかりや邦子の周りも良い人たちがいます。
みんなそれぞれ苦労してきたみたいですが、ここがターニングポイントになるのかな?
タイトルどおり、「やさしい季節」の到来を感じました。
面白い作品でしたので、よろしければぜひ!
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