赤川次郎『夜ごとの才女 怪異名所巡り11』

赤川次郎さんの『夜ごとの才女 怪異名所巡り11』を読みました。

 

 

ベテラン俳優の武井は、17歳の河田エミリと映画で共演した。
武井がとちってもエミリは武井をかばってくれるのだが、毎晩、エミリを殺す夢を見てしまう。
一方のエミリも、毎晩男性を刺し殺す夢を見ると、〈幽霊と話せるバスガイド〉町田藍に相談を持ちかける。

天才子役から一流女優に駆け上がろうとしている少女とベテラン俳優。その心の葛藤が見られて面白いと思いました。
ただ、そこに秘められていたものは、どうなのかなぁと…
ありきたりではないけれど、大人になりきれない人間の汚い部分が見えただけと、私には映りました。

個人的には、最後に収められている『命ある限り』が好きです。

表題作のほか、『あの夜は帰ってこない』、『劇場の幽霊』、『簡潔な人生』、『悪魔は二度微笑む』、『命ある限り』が収められています。

『あの夜は帰ってこない』
藍はピアニストの那須広吉が貸し切ったバスに乗車して、小さな港町に行くことに。
その町では30年くらい前、立てこもり事件が発生していた。

『劇場の幽霊』
演劇の公演中、舞台に霧が出て、口笛が聞こえた。
その口笛が奏でたメロディは、30年前に劇場で自殺した俳優がよく口笛で吹いていたものだった。

『簡潔な人生』
官房長官の部下の中本は、特定の女性記者が質問するときに「質問は簡潔にお願いします!」と叫ぶよう指示されていた。
ある日、中本は官房長官の回答中、「返答は簡潔にお願いします!」と叫んでしまう。

『悪魔は二度微笑む』
刑事の万田は部下の八田らとともに、殺人犯の中須啓一郎が潜伏する家に踏み込んだが、八田が自らの頭を拳銃で撃ち抜いて死んでしまう。
万田のアイデアで、その中須の護送を〈すずめバス〉が請け負うことになる。

『命ある限り』
藍が担当するバスツアーに様子がおかしい男性客が。
その男性客は、あと角を一つ曲がれば解散というところで、いきなり「貴様が町田ってガイドだな!」と言って拳銃を取り出した。

 

< br>過去の「赤川次郎」記事

 

 

 

過去の「怪異名所巡り」記事

 

 

 

 

 

にほんブログ村 小説ブログへ
にほんブログ村

 

coralの読書記録 - にほんブログ村

 

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました