赤川次郎『晴れ、ときどき殺人』

赤川次郎さんの『晴れ、ときどき殺人』を読みました。

 

 

北里財閥の当主浪子が、19歳の一人娘・加奈子を残して亡くなった。
今の机の上には加奈子宛の手紙が残されており、「若い頃、人を殺したことがある」と書かれていた。
若い女性が暴行され殺害された事件の犯人をたまたま見かけたが、別人が逮捕されたときに加奈子を人質に取られ、嘘の証言を強いられたらしい。
犯人にされた若者は、裁判所の窓を破って飛び降り、死亡したのだという。
そして、最近、加奈子が人質に取られたときに持たされた脅迫状と、ある身近な人物の手紙の筆籍がそっくりであることに気づいたと手紙は続けられていたが、真犯人の名前が書かれていたはずの最後のページが奪い去られていた。
浪子の葬儀のために身近な人たちが集まってきた北里家では、立て続けに殺人事件が起きる。

もともと姉が持っていた本で、本棚を整理したときに手放したのですが、久々に読みたくなって図書館で借りてきました。

井筒和幸監督、渡辺典子主演で1984年に映画化されましたが、事件のほぼすべてが居間の中で起きるため、舞台化するのも面白いかもしれません。

犯人は人を殺すことに喜びを覚えるような人物なのにも関わらず、物語は軽いテンポで進んでいって、読みづらさがありません。

北里家に、殺人の濡れ衣を着せられた上村裕三が迷い込んでくるのも、絶妙なタイミング。
浪子の懺悔の手紙を読んだ直後なのですから、加奈子が上村を匿おうと思うのも納得です。
本来なら不自然に見える行動を、上手く取り込んでいるなぁと感心させられました。

読み終わったあとの清涼感も格別。
また、買い戻そうかなぁなんて思っちゃうのですが、それをしだすと本棚がまた溢れてしまうので…

 

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