赤川次郎『ゴールド・マイク』

赤川次郎さんの『ゴールド・マイク』を読みました。

 

 

高校生の前田佳美と川畑あすかはデュオを組んで、ゴールド・マイク新人大賞の地区大会に参加した。
しかし、プロの目にとまったのはあすかの声。
あすかは1人でプロデビューを果たすことになる。

プロの歌手としてスタートを切るあすかは、落ち目のアイドルに逆恨みされたり、祖父くらいの年齢の政治家のおもちゃにされかかったり…
一緒にプロにはなれなかったけど、変わらず友人でいてくれる佳美とともに、あすかは階段を1歩1歩上がっていく。

素人の女の子が発掘されて、シンデレラストーリーを歩んでいく、というストーリーは、赤川次郎さんの作品の中ではそう珍しい話ではありません。
しかし、今回は友人の佳美の視点で描かれているのが特徴。
この佳美、まだ高校生のはずなのに、とっても大人なんです。
視野は広いし、落ち着いているし…
それをサポートする高林も、新人と言ってもいいくらい若手の会社員なのに、冷静で的確なアドバイスを送っています。
2人の年齢を足してもお釣りが来るような年齢の私としては、ちょっと冷や汗もの。

この作品を読んでいる間、私の頭の中では『ふたり』が重なっていました。
千津子がやさしく実加を見守る目線に、何か似たものがあるなぁと。

最後には、それぞれが階段を1段上がるのですが、その高さは様々。
実際の人生だって、人それぞれ1歩の幅は違うもんねってことを、改めて感じさせられるような作品でした。

 

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