赤川次郎『マザコン刑事の逮捕状』

赤川次郎さんの『マザコン刑事の逮捕状』を読みました。

警視庁きっての切れ者で、イケメンの(でも、残念なことにマザコンの)大谷警部が見合いをすることになった。
見合い相手の杉山涼子は、レストランのウエイトレスをして、病に伏せている父を支えていた。
今回の見合いも、叔母の嫌がらせなのだという。

一方、大谷の部下で恋人の香月弓江は、悔しさを隠しきれないでいたが、偶然涼子を監禁しようとしている男たちの話を聞いてしまう。
大谷と弓江の手によって、男2人組は呆気なく取り押さえられるが、誰が涼子を襲わせたのかという疑問が残る。

このシリーズも3冊目になり、随分と落ち着きが出てきたように思います。
このシリーズならではの面白さがじわじわとくるのですが、私はどうしても同じ徳間書店から出ている「夫は泥棒、妻は刑事シリーズ」と比べてしまったりします。
あちらは、派手な動きがウリなのに対して、こちらは、ちょっと地味な名推理がウリ。
今野真弓なら、こんな時…とついつい考えてしまったりします。
裏を返せば、力ずくで事件を解決するのに対し、理詰めで事件を解決に導いているとも言えるのですが…

どちらも、それぞれ良さがあるのですが、赤川次郎さんらしいのはどちらか？って聞かれると、ねぇ…ってなっちゃうんですよね。
なんてことを言いながら、せっせと読み進めているのですが…