赤川次郎さんの『吸血鬼はお年ごろ 吸血鬼株式会社』を読みました。
吸血鬼の血を引く少女・神代エリカが、友人の大月千代子、橋口みどりの3人が休日の新宿を歩いていると、強盗に遭遇した。
しかし、強盗団が狙ったのは、現金輸送車ではなく献血車だった。
一方、あまり評判の良くない実業家・西野大造が5年近い入院の末死亡したが、西野の死体が病室のベッドから消えてしまう。
西野の孫娘・かおるが後輩だったことから、エリカは西野の死体が消えた事件の捜査を依頼されてしまう。
シリーズ第1作の『吸血鬼はお年ごろ』で、エリカの1年後輩・涼子と結婚したエリカの父、フォン・クロロックですが、今回の作品ではパパに!
って、すでにエリカがいるので、パパなのですが、エリカにとっては18歳ほど離れた弟・虎ノ介が誕生します。
そして、サブタイトルにもあるように、クロロックが会社社長になることになったいきさつも記されています。
このシリーズではやりたい放題の赤川次郎さんですが、このいきさつについても、好き勝手やってるなぁって感じで…
でも、以後の作品を見ていると、なかなか社長として成功しているようなので、クロロックに目をつけた”実業家”は、見る目が合ったんだな、と…
ただ、人間が働く会社を経営しようと思うと、当然夜行性の吸血鬼にとっては、昼夜逆転の生活をしなければならないわけで…
シリーズ第1作では、ほとんど昼間は起きていられなかったクロロックですが、作品を追うごとに昼間の活動時間が増えています。
1作品の流れを考えるというのは当然ですが、何作先の作品の流れまで考えているんだろうなぁと、赤川次郎さんの頭の中がますますわからなくなってきてしまいます。
作品の方は、人間ではない吸血鬼、というところと、吸血鬼と人間のハーフというところをうまく活かした作品になっていると思います。
TVの影響を多分に受けているクロロックらしく、悪人たちを懲らしめるシーンなんか、このシリーズならではと思ってしまいます。
涼子の妊娠から、虎ノ介の出産で1年が経っているにも関わらず、エリカたちの学年は変わらない!と、自虐ネタにしているところもさすが。
でも、このシリーズ、途中からエリカたちは大学生になるんですよね。
それなら、このタイミングで1つ年をとらせても良かったのにと思うのですが、きっと高校にやり残したことがあったのでしょう!
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