赤川次郎さんの『あなたも殺人犯になれる!』を読みました。
あらすじ
少女漫画家を目指す高校生・岡本聡美は、〈あなたも漫画家になれる!〉とうたう2週間泊まり込みの研修コースに参加することになった。
しかし、ロッジがある箱根山中に着く頃には、台風の影響で川は激流になっていた。
そして、夜が明ける頃には、ロッジに続く1本だけの道路に架かる橋が流されてしまう。
同じ頃、楽しみで人を殺す殺人鬼・山名武三を刑事たちがパトカーで護送しようとしていた。
隙を見て警官の拳銃を奪った山名は、護送中の刑事らを皆殺しにし、中島刑事を名乗って聡美たちがいるロッジを訪れる。
感想
ちょっと、中途半端な作品かなぁと思ってしまいました。
少女漫画家養成のための研修合宿。
宇部果梨の『か』、馬場しのぶの『ば』、加藤ジュンの『か』をとって『カバカ』というペンネームで活動している3人組までは良かったのですが、他の登場人物たちのキャラクターが立っていない。
誰が誰だかうろ覚えのまま、最後までいってしまいました。
漫画家志望の集まりなんだから、もっと1人1人の個性が立っていても良いんじゃないかなぁって思いました。
この作品を読んでいるときに思い出したのが、内田康夫さんの『耳なし芳一からの手紙』。
この作品のヒロインが漫画家志望の少女だったのですが、「人を殺して来た」と言うヤクザもの、それを「ご苦労さま」と返すヒロイン…
まるで、まんがの中の登場人物のように、登場人物たちがコミカルに描かれているのが印象的でした。
作品のタイトルは『あなたも殺人犯になれる!』と、研修のうたい文句〈あなたも漫画家になれる!〉に引っかけたものになっています。
ちなみに、実際に殺人犯になることは可能。
推理小説を書けば良いんです!!
紙の上(パソコンの画面の上?)で、どれだけ人を殺しても、罪にはなりませんからね。
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