赤川次郎『天使に涙とほほえみを』

赤川次郎さんの『天使に涙とほほえみを』を読みました。

 

 

ひとり暮らしのお年寄り・高木小夜子は、夜中に愛犬のベスがひとりで外に出ているのに気がついた。
国道に立つベスはそのままトラックに轢かれてしまったが、小夜子にはベスが自ら死を選んだように見えた。
そのベスを轢いたトラックに乗せてもらっていたのが、天国から研修にやってきた天使のマリと、地獄から成績不良で叩き出され犬に姿を変えたポチ。
小夜子が自らも死を選んだことに気づいた2人は、なんとか小夜子を助け出す。

小夜子が搬送された病院には、会社ぐるみの悪事の責任を押しつけられ、自殺した平山が運び込まれた。
ひょんなことからマリとポチは、平山の会社の社長・野本広士の家でやっかいになることになる。
ベスの他にも、トラやウサギ、猫などの自殺が続き、扱いに困った天国から、マリに調査するよう指示が下る。

自殺した人間は天国へは行けない。
このシリーズならではの「判断基準」が、物語を通してつきまとうことになります。
犬やトラ、ウサギに猫など、動物の自殺に目が行きがちですが、1人だけ自殺した人間が混じっていることをどう解釈すれば良いのか悩みます。
そもそも、動物が自殺する、その理由や、自殺させる方法は何なのか?
天使にも、悪魔にもわからない謎が、読者にわかるわけもなく…

テーマというか、動物の自殺を持ち出したところは面白かったのですが、結末まで読んでしまったあとに、面白かったと思えるかどうかは、ちょっと微妙かなぁと思ったり…
理解不能な謎に散々頭を悩まされた挙げ句、あの結末というのはどうだったのかな、と思ってしまいました。

 

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