赤川次郎『マザコン刑事の探偵学』

赤川次郎さんの『マザコン刑事の探偵学』を読みました。

 

 

浦田雅志は70になろうかという大学教授。
その秘書を務める山本秀子は、ある朝出がけに用事が入り、出勤が遅れた。
秀子が教授室に入ると、浦田は眠るようにして死んでいた。

この毒殺事件を担当したのが、警視庁の大谷警部と香月弓江刑事。
浦田は生前、息子の嫁・通子のことを繰り返し褒めていたというが、実際には研究一筋の大学助教授で、家庭のことは何もできない女性。浦田の息子雅照とは離婚も視野に入っていた。

この作品が出版されたのは1986年。今よりももっと女性の社会進出が遅れていた時代です。
そんな時代において、女性が研究職で身を立てるのは今考えるよりも難しかったのではと思います。
今では考えられないことかもしれませんが、研究一筋で生きる女性を、変り者であったり、社会からはみ出した人間として設定したのかもしれないな、と思いました。
それがミスリードなのか、真犯人なのかは言いませんが、当時であれば、今と違った読み方をしていたかも知れないと思ってしまいました。

このシリーズは、大谷警部の母(名前はまだない)の何気ないひと言がヒントになって、弓江が事件を解決に導くという流れが多いように思うのですが、今回はちょっと違っていたような…
弓江も社会進出した女性の1人なので、大谷警部の母よりも、弓江の方が適役だったということでしょうか。

 

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