赤川次郎『目ざめれば、真夜中』

赤川次郎さんの『目ざめれば、真夜中』を読みました。

 

 

 

大手電機メーカーのサービスセンターで働く矢田部真美は、人質を取って立てこもった高校の同級生・白木和也から交渉役として呼び出される。
白木は組織犯罪に関わって殺人の濡れ衣を着せられたため、人質役になっている婚約者の広田悠子のことを頼むと言って、突入してきた警官隊に銃殺された。
事件のあと、取材を受けたのがニュース番組のリポーター・宮坂初枝だった。

白木が勤めていたのは〈プレミア商事〉という会社だったが、初枝が調べても実態が掴めない。
真美は、初枝と初枝の11歳の娘・上野恵、上京してきた白木の母・幸江とともに、白木が巻き込まれた事件の謎に挑む。

矢田部真美と宮坂初枝、上野恵、白木幸江という4人の即席探偵団が結成されることになりますが、真美と初枝が実働部隊、恵がムードメーカー、幸江が司令官といった役割分担でしょうか。
幸江には、安楽椅子探偵、クリスティーのミス・マープルのような雰囲気を感じました。

警察官をも巻き込んだ大きな規模の犯罪というのは、前半から想像がついたのですが、終盤に想像をはるかに凌駕する規模の犯罪が明らかに。
赤川次郎さんが世間に問いかけたかった問題があったんだなというのが伝わってきます。
ただ、規模が大きくなっていろいろなものを取り込んだが故に、どういう関係だったんだろう?と思えるような関係が明らかになってしまったのは少し残念なところ。
〈プレミア商事〉の業務上、つながりそうにない関係までできあがってしまい、違和感を感じずにはいられませんでした。

中盤から終盤にかけ、キャラクターの性格が、事件にピタッ、ピタッとはまっていったあたりはさすが。
課長の須田の使い方なんかは感動ものでした。

 

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