赤川次郎さんの『哀しみの終着駅 怪異名所巡り3』を読みました。
あらすじ
安井一は、交際相手の清原妙子から別れ話を切り出された。
予定していた旅行をキャンセルし、近くの駅までタクシーに乗せてもらったところ、着いたのは「しゅうちゃく駅」だった。
プラットホームで話をしていた2人だったが、列車が近づいてくると、急に安井が「君を誰にも渡さない」と、妙子の首を絞め、殺害してしまった。
一方、弱小バス会社の〈すずめバス〉の社長・筒見は、事務所の電気代を捻出するため、「しゅうちゃく駅」を目的地とした、カップルに別れの場を提供するツアーを企画する。
ツアーを担当することになったバスガイドの町田藍は、常連客である遠藤真由美の友人で、安井の従妹の安井ルミから、安井がプラットホームに立つ女性を見た途端に妙子を手放したくなくなって、気がついたら妙子が足下に倒れていたと言っていると、相談を受ける。
感想
幽霊と話ができるバスガイド・町田藍が活躍する「怪異名所巡りシリーズ」の第3弾となります。
いつもは、藍の霊感を頼りに、心霊バスツアーを企画する筒見社長ですが、今回は事務所の電気代も払えない状況に追い詰められたのか、カップルを別れさせるツアーを企画します。
結局は、藍の霊感が活かされることになるのですが、ツアーのメンバーもいつもと少し変わった顔ぶれのようです。
この世に未練を残して死にきれなかった霊を、藍が浄佛させるというこのシリーズ。
愛だとか、憎しみだとかが適度に混じっていて、かつ、短編なのでリズムもよく、最近のお気に入りになりつつあります。
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