赤川次郎さんの『スパイ失業』を読みました。
東ヨーロッパにあった小さな国・ポメラニア共和国が、財政破綻して消滅した。
ポメラニア出身の伊原ユリは、国際会議で通訳として働く傍ら、そこで耳にした情報をポメラニアの大使・アルブレヒトに伝える「スパイ」をしていた。
ポメラニアの消滅に心を痛めるユリだったが、病気で入院中の夫と、中学1年生の娘とともに生きていくために、仕事に明け暮れる。
そんな中、アルブレヒトに呼び出されて待ち合わせ場所に出かけたユリだったが、アルブレヒトが目の前でさらわれてしまう。
アルブレヒトからの電話でU国大使館の別館に呼び出されたユリは、そこで某国の秘密警察の長官をしていた男から、ポメラニアが密かに蓄え、日本に保管していた財宝を見つけ出さなければ家族を殺すと脅迫される。
生まれ故郷から遠く離れた日本で、ポメラニア共和国のスパイとして活動をするユリですが、自分が生まれた国が消滅するという事態に。
日本ではあまり考えられないことですが、何らかの原因で国境の位置が変わるヨーロッパやアフリカでは、無くもない話ではないでしょうか。
ユリは愛国心を胸に行動することになるのですが、日本人の感覚とはちょっと違うのかな?と思ったりもします。
通訳として見聞きした情報を伝えるだけの「スパイ」だったユリですが、ポメラニアの消滅によって、より『007』の世界に近いところでのスパイ活動が求められることに。
それに必要な教育はどこで受けたのかな?と思ったりもするのですが、愛国心や家族を想う気持ちがユリを動かしたのでしょう。
ところどころに、「大人の愛」が散りばめられていたりもするのですが、結局最後に残るのは…という話だっりもします。
そこの部分に、人としての価値が現れるのかなぁと。
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