赤川次郎さんの『神隠し三人娘 怪異名所巡り』を読みました。
大手観光バス会社〈はと〉をリストラされ、極小バス会社〈すずめバス〉に転職したバス会社の町田藍。
人よりちょっと霊感が強いため、心霊ツアーを任されることになってしまった。
今回も、〈神隠しにあう場所巡りツアー〉を引率したのだが、2年前に神隠しにあった少女が、近所の家に幽閉されていたのを発見した。
一方、テレビ番組で催眠術をかけられた男性が口にした「じゅん子、とも、さとみ」という3人の名前が気になった、元刑事の野辺は、8年前に神隠しにあった3人の少女を見付けてほしいと、藍に依頼する。
このシリーズ、結構好きなんです(という割に、ほとんど読んでいないのですが…)。
霊というのは、人の怨みだとか、この世にやり残したことがあるから出てくるもの。ミステリーにはぴったりなんですよね。
なので、超常現象なんですけど、ミステリーにぴったりとはまってしまう。
父親が吸血鬼とか、猫が名探偵なんていうのも面白いですが、やっぱりリアリティがぜんぜん違うように感じてしまうんです。
藍が、自分だけが感じ取れる霊の立場から事件を解決していくという点も、他にはない視点ではないでしょうか。
被害者の立場から事件を解くとなると、犯人がすぐわかってしまうか、後ろ姿しか見ていないなんてパターンに陥りがちですが、霊の気持ちに寄り添いながら、少しずつ答えを導き出していくってところが絶妙です。
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